法とコンピュータ学会学会誌「法とコンピュータNo.29」

先日,法とコンピュータ学会から学会誌が届きました。
学会のページには,まだ学会誌の情報が載っていないようですね。
まずは,昨年の研究会テーマであるネットワーク社会における青少年保護に関する各講演者の論文と,パネルディスカッション。
ネット上の青少年保護というと児童ポルノ,児童買春がすぐ頭に浮かびますが,これに止まらず,オンラインゲームにおけるRMT(リアルマネートレード)の問題,違法有害情報規制,これに関連した非実在犯罪の問題にも言及し,その手段としてのフィルタリング,ブロッキングなどについても検討が行われています。
法律実務家向けの情報としては,ニフティの丸橋透さんの「『青少年有害情報』と民事責任」,児童ポルノに関して,ブログ「奥村徹弁護士の見解」でおなじみの奥村徹先生による「ネット上の児童ポルノに関する擬律の混乱(sexting・ファイル共有・リンク)が参考になります。
 奥村弁護士の研究報告では,大分地方裁判所での強制わいせつと児童ポルノ製造罪を併合罪とした事例が紹介されております。大分県弁護士会に所属する弁護士として,地方にいても,無知だとは言っていられないなと思った次第です。
このほか,松田政行先生によるインターネットの進展により生じた著作権法上の論点がコンパクトにまとめられた特別寄稿,小グループ研究会から,濱野敏彦先生,ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部の下道高志さん(日本クラウドセキュリティアライアンスの活動でお世話になっています),による技術面からのクラウド・コンピューティングに関する各考察,三瓶徹先生による電子出版史上の現状と課題など,IT法務関係での今注目の論点が収録されています。
学会誌は,法とコンピュータ学会の事務局で購入することができます。
なお,今年の法とコンピュータ学会の研究会は,学習院大学にて平成23年11月12日(土)に開催され,テーマは,仮案として,ネットワークビジネスの現状と法律問題,東日本大震災,とのことです。
東日本大震災について,情報ネットワーク法学会では,ソーシャルメディア中心,法とコンピュータ学会では,事業継続性中心に講演を行うようですね。