ゲーム内アイテムと財産的価値について(1) - 課金用アイテムで課金用アイテムを購入することの意味について

ゲーム内アイテムと資金決済法の関係で、最近、いろいろと騒がれていますが、LINE POPの件に関しては、「宝箱の鍵」で「宝箱」を開けることが、電子マネーによるサービスの対価支払いのような関係にあるかということが問題となっています。もっとも、「宝箱の鍵」は、現金でこれを購入することができず、アイテムとの交換でのみ入手するできることが問題を複雑化させています。

すなわち、このゲームの場合、リアルなお金で購入できるルビーというアイテムがあり、ルビーは、様々な用途に使えるところ、そのうちの一つが「宝箱の鍵」に交換するという用途で、その「宝箱の鍵」というのは、ゲーム内でランダムに発生する宝箱を開けるために必要なアイテムであって、宝箱を開けると、いろいろなアイテムが当たるという仕組みになっていました(下図参照)。

宝箱の鍵の仕組み

本件では、前払式支払支払手段該当性の要件のうち(資金決済法3条1項)、この宝箱を開けるということが、権利行使といえるのかと、宝箱の鍵の入手について、対価発行といえるのか、が特に問題となります(※1)。

このうち、対価発行については、ルビーを財産的価値としてみて、これを対価として得て宝箱の鍵を発行しているとすれば、満たすと考えられるわけです。(権利行使該当性は、別に詳しく説明しているサイトがありますので、ここでは触れません)。(※2)

少なくとも、直接の課金により得ているアイテムというのは、現実世界における価値評価と結びつきやすい関係にあるので、財産上の価値と捉えることは、比較的分かりやすいのではないかと思われます。

最近は、課金アイテムを使って、別のアイテムに交換させ、そのアイテムでガチャを引かせるようなサービスが増えてきているような気がしますが、一時はごまかせるにしても、全体を見れば、基本的には名前と価値の表示の単位を変更しているくらいで、実質的には直接課金しているのとほとんど変わりなく、右に習えで法的な検討を緩めてしまうことはリスクが高いように思われます。



※1 LINE POPの件について詳しい検討を行ったものとして、法律事務所ミライト・パートナーズの2016.4.6付けブログ「LINE(株)に対する関東財務局検査と資金決済法に関する簡単な解説」が参考になります。
http://milight-partners-law.hatenablog.com/entry/2016/04/06/143532#fn-28adf80c
※2なお、ニュース記事などのなかには、宝箱の鍵自体を財産的価値とみるかどうかを問題としているものもあるようですが、「宝箱の鍵」自体が前払式支払手段かを問うのであれば、財産的価値があるかどうかを問題とすべきは、この場合、対価たるルビーです。